推定①:点推定・区間推定の概念

推測 7-1 | キーワード:点推定・区間推定・推定量と推定値・不偏性・一致性・信頼区間

学習目標

点推定・区間推定・推定量と推定値の違い、不偏性・一致性の定義、信頼区間の正しい解釈を理解する。

1. 点推定と区間推定

種類内容
点推定1つの値でパラメータを推定\(\hat{\mu}=\bar{x}=72.3\)
区間推定区間でパラメータを推定\([69.1,\ 75.5]\)(信頼区間)

2. 推定量と推定値

3. 不偏性と一致性

不偏性
\[E[\hat{\theta}]=\theta \quad \text{(すべての } n \text{ で)}\]
一致性
\[\hat{\theta}\xrightarrow{P}\theta \quad (n\to\infty)\]

例:\(\bar{X}\) は \(\mu\) の不偏かつ一致推定量。不偏分散 \(s^2=\frac{1}{n-1}\sum(x_i-\bar{x})^2\) は \(\sigma^2\) の不偏推定量。

\(n\) で割る標本分散 \(\hat{\sigma}^2=\frac{1}{n}\sum(x_i-\bar{x})^2\) は \(\sigma^2\) を過小評価する(偏りがある)。試験では \(n-1\) で割る不偏分散を使う。

4. 信頼区間と信頼係数

信頼区間 \([L,U]\):真のパラメータが含まれると期待される区間。
信頼係数:同じ手続きを繰り返したとき、区間が真の値を含む割合(95%など)。

正しい解釈:「同じ手続きで100回区間を作ると約95回は真の値を含む」。「この区間が真の値を95%の確率で含む」とは意味が異なる。試験で問われることが多い。

5. 例題

【例題 18-1】不偏性の確認

母集団 \(\{1,3,5\}\)(母平均 \(\mu=3\))から復元抽出で \(n=2\) の標本を取るとき、\(\bar{X}\) の期待値を求め不偏推定量かどうか確認せよ。

解答
可能な標本(各確率1/9)の \(\bar{X}\) の値:1,2,3,2,3,4,3,4,5
\(E[\bar{X}]=(1+2+3+2+3+4+3+4+5)/9=27/9=\mathbf{3}=\mu\) ✓
\(\bar{X}\) は \(\mu\) の不偏推定量。
【例題 18-2】信頼区間の解釈

「母平均の95%信頼区間は [68.5, 75.5]」について正しい解釈はどれか。
①母平均が68.5〜75.5に含まれる確率は95%
②この手続きを繰り返すと約95%の区間が母平均を含む
③信頼係数95%は有意水準5%に対応する

解答
正解:②と③
①誤:母平均は固定した定数。「確率95%」は区間(確率変数)が真の値を含む頻度の記述。②正:頻度論的な正しい解釈。③正:信頼係数 \(1-\alpha=0.95\) は有意水準 \(\alpha=0.05\) に対応。

6. 練習問題

問題 1

不偏推定量の定義として正しいものはどれか。
①標本サイズが大きくなるほど精度が上がる推定量
②推定量の期待値が真のパラメータと一致する推定量
③推定値のばらつきが最も小さい推定量
④95%の確率で真の値を含む区間を与える推定量

問題 2

不偏分散で \(n-1\) で割る理由を説明せよ。

問題 3

一致性と不偏性の違いを説明し、「一致だが不偏でない推定量」の例を示せ。