確率変数

確率モデル 6-2 | キーワード:離散・連続型確率変数・期待値・分散・共分散・確率変数の和と差

学習目標

確率変数の期待値・分散の計算、線形変換と確率変数の和・差の性質を理解する。2変数の共分散・相関係数も習得する。

1. 確率変数の種類と確率分布

種類説明
離散型飛び飛びの値をとるサイコロの目、合格者数
連続型連続した値をとる身長、反応時間

2. 期待値・分散・標準偏差

期待値(離散型)
\[E[X]=\sum_i x_i p_i\]
分散
\[V[X]=E[(X-\mu)^2]=E[X^2]-(E[X])^2\]

3. 線形変換の性質

\(Y=aX+b\) のとき
\[E[aX+b]=aE[X]+b,\quad V[aX+b]=a^2V[X]\]

4. 確率変数の和・差

和の期待値(常に成立)
\[E[X+Y]=E[X]+E[Y]\]
和の分散(独立のとき)
\[V[X\pm Y]=V[X]+V[Y]\]
\(V[X-Y]=V[X]+V[Y]\) に注意!マイナスではなくプラスになる(分散は非負)。
一般の場合
\[V[X+Y]=V[X]+V[Y]+2\,\text{Cov}(X,Y)\]

5. 共分散・相関係数

共分散
\[\text{Cov}(X,Y)=E[(X-\mu_X)(Y-\mu_Y)]=E[XY]-E[X]E[Y]\]
相関係数
\[\rho=\frac{\text{Cov}(X,Y)}{\sqrt{V[X]}\cdot\sqrt{V[Y]}}\]

\(X,Y\) が独立なら \( ext{Cov}(X,Y)=0\)(逆は一般に成立しない)。

6. 例題

【例題 14-1】期待値・分散の計算

確率変数 X の分布:x=0/p=0.1, x=1/p=0.3, x=2/p=0.4, x=3/p=0.2。期待値と分散を求めよ。

解答
期待値:\(E[X]=0(0.1)+1(0.3)+2(0.4)+3(0.2)=1.7\)
\(E[X^2]=0+0.3+1.6+1.8=3.7\)
分散:\(V[X]=3.7-1.7^2=3.7-2.89=\mathbf{0.81}\)
【例題 14-2】確率変数の和

独立な \(X,Y\) について \(E[X]=3,\;V[X]=4,\;E[Y]=2,\;V[Y]=9\)。\(Z=2X-Y+5\) の期待値・分散を求めよ。

解答
\(E[Z]=2\times3-2+5=\mathbf{9}\)
\(V[Z]=4\times4+1^2\times9=16+9=\mathbf{25}\)(定数5は分散に影響しない)

7. 練習問題

問題 1

サイコロを1回振る。目の値を \(X\) とする。(1)\(E[X]\) (2)\(V[X]\) (3)\(Y=3X-1\) の期待値と分散

問題 2

独立な \(X,Y\) で \(V[X]=5,\;V[Y]=3\) のとき \(V[X+Y]\) と \(V[X-Y]\) を求めよ。

問題 3

\(E[X]=2,\;E[Y]=3,\;E[XY]=8,\;V[X]=4,\;V[Y]=9\) のとき共分散と相関係数を求めよ。