学習目標 2母集団の母平均の差・母分散の比・母比率の差に関する仮説検定の手順を習得する。等分散検定(F検定)との連携も理解する。1. 母平均の差の検定 1.1 分散既知 1.2 分散未知・等分散仮定 1.3 分散未知・Welch法 2. 母分散の比の検定(F検定) 両側検定の棄却域:\(FF_{\alpha/2}(n_1-1,n_2-1)\)
3. 母比率の差の検定 母比率の差の検定 では \(H_0:p_1=p_2\) を仮定するためプール推定値 \(\hat{p}\) を使う。区間推定では \(\hat{p}_1, \hat{p}_2\) をそれぞれ使う。
4. 例題 【例題 23-1】母平均の差の検定(等分散)
A工場(\(n_1=10\)、\(\bar{x}_1=52\)、\(s_1^2=8\))、B工場(\(n_2=12\)、\(\bar{x}_2=50\)、\(s_2^2=10\))。等分散を仮定し \(H_0:\mu_1=\mu_2\) を有意水準5%で両側検定せよ。(\(t_{0.025}(20)=2.086\))
解答
\(s_p^2=(9\times8+11\times10)/20=9.1\)、\(s_p\approx3.017\)
SE \(=3.017\sqrt{1/10+1/12}\approx1.292\)
\(T=(52-50)/1.292\approx1.548\)
棄却域:\(|T|>2.086\)
\(1.548<2.086\) なので
\(H_0\) を棄却できない 。
【例題 23-2】母比率の差の検定
グループA(\(n_1=200\)、改善80人)、グループB(\(n_2=200\)、改善60人)。\(H_0:p_1=p_2\) を有意水準5%で検定せよ。(\(z_{0.025}=1.96\))
解答
\(\hat{p}=(80+60)/400=0.35\)
SE \(=\sqrt{0.35\times0.65\times(1/200+1/200)}\approx0.04770\)
\(Z=(0.40-0.30)/0.04770\approx2.096\)
棄却域:\(|Z|>1.96\)
\(2.096>1.96\) なので
\(H_0\) を棄却 。改善率に有意差あり。
5. 練習問題 問題 1
\(n_1=n_2=10\)、\(\bar{x}_1=30\)、\(\bar{x}_2=25\)、\(s_1^2=s_2^2=20\)。等分散仮定で \(H_0:\mu_1=\mu_2\) vs \(H_1:\mu_1>\mu_2\) を有意水準5%で片側検定せよ。(\(t_{0.05}(18)=1.734\))
解答を見る 解答
\(s_p^2=20\)、SE \(=\sqrt{20}\times\sqrt{2/10}=\sqrt{4}=2.0\)
\(T=(30-25)/2.0=2.5\)
棄却域:\(T>1.734\)
\(2.5>1.734\) なので
\(H_0\) を棄却 。
問題 2
\(n_1=11\)、\(n_2=9\)、\(s_1^2=25\)、\(s_2^2=10\)。\(H_0:\sigma_1^2=\sigma_2^2\) を有意水準5%で検定せよ。(\(F_{0.025}(10,8)=4.30\)、\(F_{0.025}(8,10)=3.85\))
解答を見る 解答
\(F=25/10=2.5\)
棄却域:\(F>4.30\) または \(F<1/3.85\approx0.26\)
\(0.26<2.5<4.30\) なので
\(H_0\) を棄却できない 。
問題 3
母比率の差の検定と区間推定で分母(SE)の計算が異なる理由を説明せよ。
解答を見る 解答
検定 では \(H_0:p_1=p_2=p\) を仮定するためプール推定値 \(\hat{p}\) でSEを計算(帰無仮説のもとの分布を使う)。
区間推定 では共通 \(p\) を仮定しないため \(\hat{p}_1, \hat{p}_2\) でそれぞれSEを計算。