学習目標
成長率・幾何平均・指数化の計算、移動平均による平滑化、系列相関(自己相関)とコレログラムの読み取りを習得する。1. 成長率と指数化
2. 幾何平均
成長率の平均的な倍率を求めるときに使う。算術平均では正確な平均成長率が求まらない。
例:元本100万円が1年目+100%(2倍)、2年目−50%(0.5倍)になった場合。
- 実際:100→200→100(元に戻る。平均成長率0%)
- 算術平均:(100%+(−50%))/2=25% → 誤り
- 幾何平均:\(\sqrt{2\times0.5}=1.0\) → 成長率0% ✓
3. 移動平均(平滑化)
期間の端ではデータが計算できない。窓幅が大きいほど平滑化効果が大きいが、変化への反応が遅くなる。
4. 系列相関(自己相関)とコレログラム
コレログラム:ラグ \(k\) を横軸、自己相関係数 \(r_k\) を縦軸にプロットしたグラフ。時系列データのパターンを視覚的に確認。
5. 例題
【例題 9-1】幾何平均による平均成長率
売上(億円):2018=80, 2019=100, 2020=90, 2021=120。(1)各年の成長率 (2)2018→2021の平均年成長率
解答
(1) 2018→2019:+25.0%、2019→2020:−10.0%、2020→2021:+33.3%
(2) 3年間の累積倍率=120/80=1.5
\[ ext{平均年成長率}=1.5^{1/3}-1pprox1.1447-1pprox\mathbf{14.47\%}\]
【例題 9-2】移動平均の計算
月次売上(万円):1月=100, 2月=120, 3月=90, 4月=110, 5月=130, 6月=105。3か月移動平均を求めよ。
解答
3月:(100+120+90)/3=
103.34月:(120+90+110)/3=
106.75月:(90+110+130)/3=
110.06月:(110+130+105)/3=
115.01・2月は計算不可(窓幅未満)。
6. 練習問題
問題 1
元本100万円に投資し1年目+50%、2年目−50%。2年後の元本と2年間の平均成長率(幾何平均)を求めよ。
解答
1年後:150万円、2年後:150×0.5=
75万円幾何平均:\(\sqrt{0.75}-1\approx0.866-1\approx\mathbf{-13.4\%/年}\)
(算術平均の0%は誤り)
問題 2
コレログラムでラグ1の自己相関係数が0.85(高い正の値)だった。この時系列データの特徴を述べよ。
解答
1期前の値と現在の値に
強い正の相関があり、過去の値が次の値に強く影響する(慣性が強い)。AR(1)過程(1次自己回帰過程)の特徴。株価・GDP・気温などで多く見られるパターン。
問題 3
指数化に関して:2015年のGDP=480兆円、2020年=537兆円。2015年基準(=100)の2020年のGDP指数を求め、解釈せよ。
解答
指数 = (537/480)×100 =
111.9解釈:2015年を100とすると2020年は111.9、つまり
約11.9%増加したことを表す。