時系列データの処理

データの活用 4-2 | キーワード:成長率・幾何平均・指数化・移動平均・系列相関・コレログラム

学習目標

成長率・幾何平均・指数化の計算、移動平均による平滑化、系列相関(自己相関)とコレログラムの読み取りを習得する。

1. 成長率と指数化

成長率
\[\text{成長率}_t = \frac{y_t - y_{t-1}}{y_{t-1}} \times 100\%\]
指数化
\[\text{指数}_t = \frac{y_t}{y_{\text{基準}}} \times 100\]

2. 幾何平均

成長率の平均的な倍率を求めるときに使う。算術平均では正確な平均成長率が求まらない。

幾何平均
\[G = \sqrt[n]{x_1 \cdot x_2 \cdots x_n} = (x_1 x_2 \cdots x_n)^{1/n}\]

例:元本100万円が1年目+100%(2倍)、2年目−50%(0.5倍)になった場合。

3. 移動平均(平滑化)

m期移動平均
\[MA_t = \frac{y_t + y_{t-1} + \cdots + y_{t-m+1}}{m}\]
期間の端ではデータが計算できない。窓幅が大きいほど平滑化効果が大きいが、変化への反応が遅くなる。

4. 系列相関(自己相関)とコレログラム

ラグkの自己相関係数
\[r_k = \frac{\sum_{t=k+1}^{n}(y_t-\bar{y})(y_{t-k}-\bar{y})}{\sum_{t=1}^{n}(y_t-\bar{y})^2}\]

コレログラム:ラグ \(k\) を横軸、自己相関係数 \(r_k\) を縦軸にプロットしたグラフ。時系列データのパターンを視覚的に確認。

5. 例題

【例題 9-1】幾何平均による平均成長率

売上(億円):2018=80, 2019=100, 2020=90, 2021=120。(1)各年の成長率 (2)2018→2021の平均年成長率

解答
(1) 2018→2019:+25.0%、2019→2020:−10.0%、2020→2021:+33.3%
(2) 3年間の累積倍率=120/80=1.5
\[ ext{平均年成長率}=1.5^{1/3}-1pprox1.1447-1pprox\mathbf{14.47\%}\]
【例題 9-2】移動平均の計算

月次売上(万円):1月=100, 2月=120, 3月=90, 4月=110, 5月=130, 6月=105。3か月移動平均を求めよ。

解答
3月:(100+120+90)/3=103.3
4月:(120+90+110)/3=106.7
5月:(90+110+130)/3=110.0
6月:(110+130+105)/3=115.0
1・2月は計算不可(窓幅未満)。

6. 練習問題

問題 1

元本100万円に投資し1年目+50%、2年目−50%。2年後の元本と2年間の平均成長率(幾何平均)を求めよ。

問題 2

コレログラムでラグ1の自己相関係数が0.85(高い正の値)だった。この時系列データの特徴を述べよ。

問題 3

指数化に関して:2015年のGDP=480兆円、2020年=537兆円。2015年基準(=100)の2020年のGDP指数を求め、解釈せよ。