学習目標
標準化(z得点)によって異なる単位・スケールのデータを比較できるようになる。変動係数と指数化の意味と計算を習得する。1. 偏差
重要な性質:偏差の総和は必ず0。
2. 標準化(z得点)
異なる単位・スケールのデータを平均0・標準偏差1に変換する操作。
標準化後の性質:平均=0、標準偏差=1、分散=1
偏差値は z 得点の応用:偏差値 = 10z + 50。平均が50、標準偏差が10のスケール。
3. 変動係数(CV)
単位の異なるデータのばらつきを比較するための相対的指標。
平均が0や負の値になる変数には使えない。
4. 指数化
ある基準時点の値を100として相対的な大きさを表す方法。
例:消費者物価指数(CPI)は基準年の物価水準を100として各年を表す。
5. 例題
【例題 5-1】z得点による比較
Aさんは数学(平均70, 標準偏差10)で84点、英語(平均60, 標準偏差15)で81点。どちらの成績が相対的に高いか。
解答
数学:\(z=(84-70)/10=1.4\)
英語:\(z=(81-60)/15=1.4\)
どちらも \(z=1.4\) で
同じ相対的位置。
【例題 5-2】変動係数による比較
工場A(重量):平均100g、標準偏差5g。工場B(長さ):平均20cm、標準偏差2cm。相対的ばらつきを比較せよ。
解答
工場A:\(\text{CV}_A=5/100\times100=5\%\)
工場B:\(\text{CV}_B=2/20\times100=10\%\)
工場Bの方が相対的ばらつきが大きい。単位が異なるので標準偏差を直接比べることはできない。
【例題 5-3】偏差値の計算
試験(平均60, 標準偏差12)でTさんが72点を取った。偏差値を求めよ。
解答
\(z=(72-60)/12=1.0\)、偏差値 \(=10\times1.0+50=\mathbf{60}\)
6. 練習問題
問題 1
データ:10,20,30,40,50(平均=30)の各偏差を求め、偏差の合計が0になることを確認せよ。
解答
偏差:−20,−10,0,+10,+20
合計:(−20)+(−10)+0+10+20 =
0 ✓
問題 2
Bさんは国語(平均55, 標準偏差8)で71点、理科(平均65, 標準偏差20)で97点。どちらが相対的に高い成績か。
解答
国語:\(z=(71-55)/8=2.0\)
理科:\(z=(97-65)/20=1.6\)
国語の方が相対的に高い成績。
問題 3
2015年を基準(=100)として2020年の指数が120のとき、この間の変化率を求めよ。
解答
変化率 = (120−100)/100×100 =
20%増加